ノルウェイの森

ノルウェイの森(上)

ノルウェイの森(上)

ノルウェイの森(下)

ノルウェイの森(下)

今更ながらに初めて村上春樹ノルウェイの森を読む。
他の春樹作品と毛色が違うらしいと理由だけで何となく敬遠していたのだのだけれど、読んでみるとやっぱり村上春樹の小説だな、という感じ。もっと早く読んでいれば良かったかも。
「死」と「生」をそれぞれ連想させる人々との関わり。その中で「死」や「生」そして「愛」について考え、葛藤する主人公。
最終的に主人公は自分なりの答えを出すのだけれど、単純に死と再生の物語と捉えることができないのは、なんとも切ない。
ただ、仮に主人公が逆の選択をしたとしても、それで救済されるとは思えない。結局、人と関わり人を愛するということは、同時に自分をそして誰かを傷つけ失ってしまう危険性が常に存在しているのかもしれない。
などということを考えてしまった。