片想い

片想い

片想い

なんとなく目に付いたので読んでみる。
性同一性障害をテーマに扱ったミステリー作品。
作中で度々ジェンダー論も語られているのだけれど、独自の解釈がある訳でもなく、特に考えさせられる事もなかった。性同一性障害者の内面を深く描く訳でもなく、単に「片想い」という言葉を使いたかっただけなのかな、などと思ってしまう。そして「片想い」をしているという登場人物の物語終盤での行動により、その言葉の意味も無くなっているように感じられるのだけれども。
まあ、ミステリーという物にこの様なテーマを持ち込むことは面白いとは思うし、文体も読みやすい。
それに熱心なファンもいる作家のようだから、選んだ作品が悪かったのかもしれないな。