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生きている限り年齢は積み重なっていくのだから、素直に受け入れるほかはないのだけれど、また一つ歳をとってしまった。この年齢になると歳を重ねることにそれほど喜びは感じないのだけれど・・・。
それでも昔は、一つ歳を重ねるたびに大人に近づいているような気がして誕生日が待ち遠しかった。大人になれば出来ることが増え、その気になれば何でも出来る、という根拠のない自信。あの頃の自分が懐かしい。
そういう自信を持っていた昔の自分とは裏腹に、これまでの自分を振り返ってみて、何か一つでも胸を張って成し遂げたと言えることがあるのか、と考えると何も出来ていないような気がする。何か一つでも成し得たことがあるのならば、それが自信となり、また前に進むことが出来る。そういう後ろ盾がある人は強いのだろう。
将来に対する明確な目的も無く、刹那的な生き方を選んできたのは自分。それが良い事だったのかどうかは分からないけれど、そういう道を選ばなければ、出会えなかった人や物があったことも事実。そうして出会った人や物に刺激され、影響を受けたことで、今の自分がある。そう考えると、これまでの人生も悪くないのかもしれない。他人にどう思われようが、結局、自分の人生の良し悪しを決めることが出来るのは自分だけ。
ただ、もしかしたら、こう考えてしまうということは、こういう自分に自信があるということなのだろうか。
そうだとしたら、自分は全く成長していないということになるな・・・。