俯瞰

いつの頃からか、自分を俯瞰して見ている、もう一人の自分というものがいる。自分の行動や発言、それらの一挙一動に対しての冷静な判断を下す存在。
感情的になりそうな場合でも、「そんなことはエネルギーの無駄遣いだよ」と考えるもう一人の自分。そのため、嫌なことがあった場合でも、大抵はそれほど落ち込むことも傷つくこともない。
世の中には衝動的に感情を爆発させる人、ちょっとしたことですぐに傷つき落ち込む人も少なくない。そういう人から見れば、自分は冷めているのかもしれない。ただ、あらゆる事に対して何のフィルターも通さずに正面から対峙することは、疲れてしまうし、少し自分が自制することで得られる平穏や幸せも多いと思うのだけれど・・・。
もちろん、自分も箍が外れて感情を剥き出しにしてしまうこともある。もう一人の自分が制止しているにも関わらず、自分でもどうしようもない時がある。それが人間らしいという人もいるかもしれないけれど、自分はそれが本能のままに生きている他の動物と何も変わらないような気がして仕方が無い。
人間だけが特別だとは考えてもいないけれど、思考を放棄して行動することに対しては自己嫌悪に陥るし、まだまだ自分も甘いと実感させられる。